Dolcissima Mia Vita

A Thing of Beauty is a Joy Forever

Cinema

韓国ドラマ『マイ・ディア・ミスター』を見た

心の底から静かに揺さぶられるほんとうにすばらしい物語。これだから韓国ドラマはやめられない。 最終話のお葬式の場面、これほど温かい気持ちになるお葬式は見たことがなかった。 ドンフン役のイ・ソンギュンの声は暖かく深みがあってセクシーで、人を安心…

『マディソン郡の橋』を見て婚外恋愛を問い直す

『マディソン郡の橋』は、原著が話題になったころ翻訳で読み、その後原書でも読み、だいぶたってから映画を見、気に入ったので何度も見、原著を忘れかけていたので再読して、今ここ。原作と映画とずいぶん趣がちがっている。原作はロバートの独白、しかもし…

父母から自由になること 韓国ドラマ『シスターズ』感想

親の支配から自らを解放する、勇気ある女性たちの群像劇だった。三姉妹の父は最後まで登場せず、母の存在感も薄い。父母なしで、姉妹で力を合わせて生きていく。イネとヒョリンの出国も、イネにとっては、親代わりに愛情を押しつけてくる姉たちからの、ヒョ…

「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」を見た

男性の出演者の中でただひとり男らしくない(褒めています)ウ・ヨンウの父親が好きだった。 自閉症の子どもをシングルファーザーとして育てる。なんてすばらしい父親。どんなに大変だっただろう。4歳まで一言も発しなかった子が初めて話し始めたときの喜び…

『椿の花咲く頃』を見た

2019年の韓国ドラマ『椿の花咲く頃』をNetflix で見た。 餃子は蒸気だけでもゆっくり火が通る、それと同じように、ゆっくりと恋を温めましょう、というドンベクのことばどおり、恋はゆっくりと育ち、全20話のうちようやく第9話でファーストキス、最後まで「…

映画「はちどり」をみた

キム・ボラ監督の映画「はちどり」(2018年)をアマゾンプライムで見た。 家に帰ってきて呼び鈴を鳴らしても誰も出てこなくて、開かないドアをたたいて「おかあさん」と叫ぶ冒頭の場面、それに似たような場面が中盤にもあって、町で母親に似た人を見かけて「…

「モロッコ、彼女たちの朝」を観た

もとのタイトルは「アダム」映画の中で生れる男の子の名前です。 生まれたばかりの赤ちゃんがほんとうに愛情をこめて撮られていて、もうそれだけでうれしい映画。泣くばかりではなくて、くしゃみしたり、おならしたり、ちいさくうめいたり、赤ちゃんの出すい…

映画「セックスと嘘とビデオテープ」を観る

低予算で作った映画らしく、贅肉のないひきしまったシンプルな構成で、四人の男女の室内楽のような会話を中心に進む。たとえば音楽に、サビのフレーズやクライマックスのようなものを、音楽で「イク」ことを人は求めてしまいがちだけれども、他方では、クラ…

映画「シンプルな情熱」を見る

映画館で映画を見たのは何年ぶりだろうダニエル・アービッド監督「シンプルな情熱」見てきましたタイトルの Passion simple はもしかして単純過去 passé simple とかけているのかな現在とは切り離して過去の出来事を述べるフランス語の時制、単純過去開始数…

ベルトラン・タヴェルニエ「田舎の日曜日」

「田舎の日曜日」Un Dimanche à la Campagne という映画のことを教えてくださったのは阿部良雄先生。フランス象徴詩の講義の合間の雑談でした。「蓮實重彦などはけなしていますが、私は大好きです」と。雑談のときだけに見せる、含羞を帯びた笑顔で。下宿か…

映画 I Am All Girls を観た

映画「アイ・アム・オール・ガールズ」I Am All Girls を観た。 2021年、南アフリカの映画。ドノヴァン・マーシュ Donovan Marsh 監督。 コンテナに幽閉されていた子どもたちとジョディが対面する場面の長い沈黙が忘れがたい。どのようなことばも無力なとき…

映画「その名にちなんで」

どこの映画館も最大公約数の似たような映画ばかりで見たいと思う映画はほとんどなく レンタル屋さんも遠くてあまり利用せず そんなわけで映画をあまり見ない私ですが この映画はどうしても見たくて ネットでDVDを買って見たのでしした その理由はジュンパ・…