Dolcissima Mia Vita

A Thing of Beauty is a Joy Forever

2023-01-01から1年間の記事一覧

クリスマスと新年のカンタータ@神戸

お友だちのお友だちが行けなくなったとのことで切符を譲ってもらった音楽会を聴きに、神戸・六甲の松蔭女子大学チャペルへ行ってきました。鈴木優人指揮のバッハ・コレギウム・ジャパンを聴くのは10月のヘンデル『ジュリオ・チェーザレ』以来ですが、きょう…

ジュリアード四重奏団@西宮

キンモクセイの香る秋の夜、ジュリアード四重奏団の室内楽を楽しんできました。 プログラムは ベートーヴェン: 弦楽四重奏曲第13番 op.130 ヴィトマン: 弦楽四重奏曲第8番(ベートーヴェン・スタディⅢ) ヴィトマン: 弦楽四重奏曲第10番「カヴァティーナ…

バッハ・コレギウム・ジャパンの『ジュリオ・チェーザレ』

ほとんど予備知識のないままに、初めて見に行ったバロックオペラ、ヘンデルの『ジュリオ・チェーザレ』を楽しんできました。ステージ上の楽団を取り囲むようにして歌手が演じて歌う、セミステージ形式です。開幕早々、チェーザレの第一声に驚き。カウンター…

韓国ドラマ『マイ・ディア・ミスター』を見た

心の底から静かに揺さぶられるほんとうにすばらしい物語。これだから韓国ドラマはやめられない。 最終話のお葬式の場面、これほど温かい気持ちになるお葬式は見たことがなかった。 ドンフン役のイ・ソンギュンの声は暖かく深みがあってセクシーで、人を安心…

39年ぶりのドン・ジョヴァンニ

見に行くのは何十年ぶりかしら、フランス文学のゼミでモリエールのドン・ファンを読んだとき、先生に誘われて映画のドン・ジョヴァンニを銀座のヤマハホールで見て以来、数えてみたら39年ぶりに、モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』を見てきました。 佐渡裕…

題詠100首 2023

五十嵐きよみさん主催の「題詠100首」完走いたしました。主催の五十嵐さま、お世話になりありがとうございました。 2023-001:引 引き潮やあらはれいづる磯浜に春日を浴びて蟹とたはむる 2023-002:寝 みみづくも濡れそぼつらむひさかたの雨音しげく聞こゆる寝…

角田光代『八日目の蝉』再読

9年前に初めて読んだときは、ひたすら希和子に感情移入して、その逃避行に一喜一憂していたが、このたび再読して、これは希和子と同じぐらい恵理菜の物語でもあったのだと気づく。自分を誘拐して連れ出して育て、その結果家庭をめちゃくちゃにした希和子のこ…

菅原百合絵『たましひの薄衣』を読む

人死にて言語(ラング)絶えたるのちの世も風に言の葉そよぎてをらむ 歌集の終り近くに置かれた、「禁色」と題された連作のなかの一首である。 源氏物語の柏木の禁断の恋をめぐる歌ではじまり、禁書目録、猥褻本の著者の追放、サヴォナローラの焚書、炎に包…

桜の花の唯一無二であることについて

桜の花を見るとき、いま目の前に咲いている桜だけではなくて、これまで生きてきたなかで見た無数の桜が、見た場所や情景や、一緒に見た人とともに、意識していてもしていなくても、まるで倍音のように、あるいは不可視の光のように同時にそこに重ねられ、過…

『マディソン郡の橋』を見て婚外恋愛を問い直す

『マディソン郡の橋』は、原著が話題になったころ翻訳で読み、その後原書でも読み、だいぶたってから映画を見、気に入ったので何度も見、原著を忘れかけていたので再読して、今ここ。原作と映画とずいぶん趣がちがっている。原作はロバートの独白、しかもし…

ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノリサイタルを聴く

ユリアンナ・アヴデーエワ ピアノリサイタル。大阪・福島のザ・シンフォニーホールで聴いてきました。 はじめに演奏されたショパン「幻想ポロネーズ」は愛してやまない曲。ポロネーズという曲種はどちらかといえば苦手で、一つにはABAのわかりやすすぎる形式…

2022年に読んだ本

2022年の読書メーター読んだ本の数:128読んだページ数:41389ナイス数:5055蒼穹のかなたに〈1〉―ピコ・デッラ・ミランドラとルネサンスの物語の感想青年貴族ピコ・デラ・ミランドラの目からみた15世紀末のフィレンツェはなんと光輝と優雅と知的興奮に満ち…