Dolcissima Mia Vita

A Thing of Beauty is a Joy Forever

あかねいろの空

あれから34年ですね

 

墜落のときにあはせてそらをみるきみの最期に見しそらのいろ

御巣鷹忌墜ちし時刻にみるそらのあかね色てふかなしみのいろ

かぞふればみそとせあまりよとせ経ぬあの夏の日の墜落の惨

御巣鷹にきみみまかりしその日より夏の夜ばかりうきものはなし

御巣鷹に逝きし友のちかづけばおもかげいまだわかかりしまま

ことのはのなべてうつろにひびきけり墜落事故の追悼ミサに

搭乗者名簿にきみのなまへみきいろもかたちもおともなかりき

帰省中逢ふ約束をして切りぬそれがさいごの電話としらず

ほほゑみをたたへしきみが遺影までのながきながき葬礼の列

信濃路のはてにしづもる野尻湖を漕ぎ廻みしきみいまは世になく

法師蟬きれぎれになく昼寝覚め墜死の友にあふゆめをみし

謦咳のいまだのこれる耳の奥きみのなきあといくとせふれど