2019-04-24 椎の木 Poésie 立ち寄らん蔭かげと頼みし椎しひが本もとむなしき床になりにけるかな 源氏物語を読んでいたらこんな歌がありました 「椎本」の巻の名前の由来にもなった 薫が八の宮の死を悼んで詠んだ歌です これを読んで思い出したのは芭蕉の幻住庵記の最後に記された句 先づ頼む椎の木も有り夏木立 です この句は西行の ならび居て友を離れぬ子がらめの塒に頼む椎の下枝 に呼応しているといわれているそうですが 源氏物語の歌とも関係がありそうですね 幻住庵は紫式部ゆかりの石山寺のすぐ近くで 芭蕉自身もしばしば訪れているようです