Dolcissima Mia Vita

A Thing of Beauty is a Joy Forever

椎の木

立ち寄らんかげと頼みししひもとむなしき床になりにけるかな

 

源氏物語を読んでいたらこんな歌がありました

「椎本」の巻の名前の由来にもなった

薫が八の宮の死を悼んで詠んだ歌です

 

これを読んで思い出したのは芭蕉の幻住庵記の最後に記された句

 

先づ頼む椎の木も有り夏木立

 

です

この句は西行

 

ならび居て友を離れぬ子がらめの塒に頼む椎の下枝

 

に呼応しているといわれているそうですが

源氏物語の歌とも関係がありそうですね

幻住庵は紫式部ゆかりの石山寺のすぐ近くで

芭蕉自身もしばしば訪れているようです