ミクローシュ・サボー Miklós Szabó 指揮のジュール女声合唱団 Gyór Girls' Choir の演奏で
ハイドンの世俗カノン集を聴いています
ハイドンのポリフォニーの腕前がよくわかる 対位法の充実したカノン集です
どれも数分の短い曲なのにどれひとつとして同じものはなく
聴いていて飽きることがありません
歌詞の卑俗と音楽の清澄のアンバランスが美しい
無伴奏の女声合唱の清潔な透明感が印象に残ります
かつてハイドンが職を奉じたエステルハージ家もハンガリーでしたね
いちばんのお気に入りは “Das böse Weib” (悪い女)という曲
出だしはこんな風
どこに連れていかれるのか不安になるような半音階の上昇
上昇しきったところに次の声部が入ってはじめてト長調とわかる
譜例では伴奏パートがありますがこの演奏は無伴奏のため
なおさら調性が不安定なのがたまらなく好きです