Dolcissima Mia Vita

A Thing of Beauty is a Joy Forever

ウィーンモダン展を見てきました

芸術の秋というには少し暑い一日 久しぶり街に出て展覧会「ウィーンモダン展」に行ってきました

18世紀のマリア・テレジアから20世紀の表現主義までのウィーンの街の歴史を絵画と風俗とともにたどる企画

シューベルトの眼鏡 メッテルニヒのカバン クリムトのスモック(作業着? カトリックの神父のスータンのような) などの品々も展示されて 時代の息吹のようなものが感じ取れました

マイブームのハンス・マカルトの絵(iPadの壁紙にしているほどのマイブームです)を思いがけず見られたのが良かった

画像下のポストカード「メッサリーナに扮した女優シャルロット・ヴォルター」

前から知っていた絵ですが実物はとても大きなサイズの大作で圧倒的な迫力でした

 

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傲然と身をもたせかける豪奢な衣裳の貴人

その視線の先の闇には街のようなものが燃えているようです

メッサリーナ死後のネロの治世のローマの大火事を予見しているかのような...

そのマカルトの後継者としてのクリムトの初期の写実的なアレゴリーの絵(画像真ん中のポストカード)を見るとこの二人の連続性が見えてくる気がします

分離派立ち上げのときの集合写真も見ました

寝そべっている人もいてなんだかみんな楽しそう

一応みんなスーツ?なのにクリムトだけは例のスモックで完全に浮いてます

のちに分離派から離れてさらに独自の道を歩んだのもうなずけます

クリムトの後半生から分離派・表現主義の流れはちょうどシェーンベルクらの調性からの逸脱の時期と重なっていて、音楽でも絵画でもこの時期に新しいなにものかへの希求と試みがあったのだとわかります

シェーンベルクが描いた絵「マーラーの葬儀」も印象的

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不穏にそよぐ木々の葉 顔のはっきり見えない参列者たち そして中央にはぽっかりと大きな墓穴

敬愛する師を喪った作曲家の心の空洞そのもののように見えました