菅原や伏見の里のささ枕ゆめもいくよの人目よくらむ(順徳院、続後撰730)
住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路人めよくらむ(藤原敏行、古今)
これもまたかりそめぶしのさゝ枕一夜の夢の契りばかりに(藤原俊成女)
順徳院の歌のもとになったのは藤原敏行の歌
そして俊成女の歌にも似ています
順徳院と俊成女は同時代で親交があったとのこと
俊成女の歌は丸谷才一の小説『笹まくら』の題名にもなりました
旅の途中のつかのまの逢瀬は人目を避けるためでもあり
徴兵忌避をして逃げる主人公の逃避行にも重なります